骨髄異形成症候群

骨髄異形成症候群

骨髄異形成症候群

 

 

骨髄異形成症候群は、男女比は1.5?1.7と男性に多い。発症は40代から次第に増加し、高齢者に多い疾患であるため、先進国では平均年齢の増加に伴い患者数が増加傾向にある。骨髄異形成症候群の予後は不良である。特に急性骨髄性白血病が多い。

 

この状態で異常クローンの遺伝子にさらに傷がつくとアポトーシス耐性を獲得するクローンができる。骨髄異形成症候群の予後良好の不応性貧血で生存年数は約5年、予後不良のタイプでは1年程度である。シクロスポリンやATG(anti-thymocyte globulin)が使用され、50?60%の症例で有効である。同時に作成されたMDS 2000は新WHO分類に含まれるので、新WHO分類でのみ考慮すれば充分となる。

 

高リスク群に対しては骨髄異形成症候群の根治療法として、造血幹細胞移植を行う。好中球減少例ではG-CSFの補助療法が有効である。移植以外では対症療法となるが、免疫抑制剤が一部で有効であることが判明している。

 

白血球減少が高度な例で感染症の合併、血小板減少が高度な例で出血傾向が見られるものの、血液検査で白血球減少、血小板減少、汎血球減少が偶然発見されることも多い。貧血の型は一定せず、大球性から小球性までとりえる。抗癌剤投与による発症も問題となっている。高リスク群に分類される型では高率に急性白血病へ移行する。汎血球減少が見られた場合、まず骨髄異形成症候群を念頭に置く。

 

骨髄異形成症候群の約半数で染色体異常が見られることと、先天性染色体異常によるファンコーニ貧血の患者が高頻度で骨髄異形成症候群を発症することから、遺伝子変異が何らかの形で関わっていると考えられている。

 

骨髄異形成症候群の予後のよい症例では貧血を輸血で是正するだけで日常生活は問題なく送れる。化学療法はまだ十分な成果が挙げられていない。このメカニズムがあるが故に、MDSを前白血病状態と呼ぶ者もいる。次に腫瘍や膠原病などを除外し、その上で骨髄塗抹標本で形態異常が見られれば確定する。

 

異常クローンが骨髄を占拠する結果として骨髄は過形成になるが、アポトーシスが亢進しているので血球減少をおこす。現在移植の適応は50?55歳以下に限られている。白血病化が最も重要な合併症である。

 

しかし、造血幹細胞移植に伴うGVHDなどの合併症の死亡率が無視できないため、リスクを検討したうえで移植を実施するか検討する必要がある。唯一の治療法が同種造血幹細胞移植である。発症時の症状は乏しい。

 

無症状かあるいは赤血球の産生が低下して慢性の貧血を来たす。有機溶剤、化学物質、放射線などが考えられている。白血球減少に伴う感染症も重要な合併症の1つである。骨髄に造血幹細胞の前腫瘍細胞である異型クローンが生じ、正常幹細胞を凌駕して増殖する結果として正常の造血が抑制される。また、骨髄穿刺時に染色体検査をし、染色体異常が見られれば確度は高まる。

 

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