骨髄異形成症候群

骨髄異形成症候群

骨髄異形成症候群

 

 

骨髄異形成症候群は、抗がん剤などの薬物療法、あるいは放射線療法を受けた場合などには、二次性の骨髄異形成症候群がおこることもあります。正常な状態では、造血支持組織の中で、幹細胞や前駆細胞が赤血球、白血球、血小板に成熟し、それぞれの働きと役割をになうことになります。

 

これらは、身体の中の血液の不足や異常により引きおこされる病態なのですが、なかなか診断がつかないために、「白血球減少症」とか「汎血球減少症」などの暫定的な病名をつけられることもあります。 骨髄の中の未熟な芽球が20%以上、30%以下の状態です。さらに最近では、新しい細胞刺激因子を使う治療方法や抗がん剤による化学療法、あるいは若年者のみならず、中高年者にも積極的に同種造血幹細胞移植療法が開発、推進されつつあります。その発症のメカニズムはまだ特定できていません。

 

骨髄異形成症候群という病気も、細胞の中にある遺伝子や、それがのっている染色体の異常であるということがわかってきています。血液の成分は、血漿と、身体のすみずみに酸素などを運ぶ赤血球や、細菌を殺す白血球や、出血を止める血小板などの血液細胞で構成されています。

 

骨髄異形成症候群は50歳以上の年齢および高齢者に多く、わが国でも人口の高齢化とともに増加傾向にあると考えられています。その結果、骨髄が血液を造るという正常な働きをしなくなり、身体全体に正常な血液細胞を送り出せなくなるため、さまざまな身体の異常があらわれてきます。

 

つまり病気を治すことはできなくても、骨髄異形成症候群の症状や進行に気をつけていれば、しばらくは日常生活を支障なく送ることができます。 骨髄異形成症候群は、以前から「前白血病状態」とか「くすぶり型白血病」と呼ばれたり、あるいは、治療に反応しにくい原因不明の貧血の一部として扱われてきました。

 

骨髄異形成症候群は、高齢者に多い病気であること、また根治治療がないということから、輸血などの対症治療を続けることが多いのですが、次第に正常な血液の成分がなくなっていく場合や、途中から急性白血病になる場合もあります。この病気には、厳密には、いろいろな程度や状態があり、いくつかの病態が重なり合い、移行しつつあるものとして考えられています。

 

自覚症状や今までかかった病気の経歴に加えて、診断には一般的な血液検査や骨髄液検査が必要です。しかし、この病気の数%は若年者にもおこります。いろいろな原因が重なりあっておこると考えられています。

 

骨髄異形成症候群は、初期の病型であっても血液を造るおおもとの幹細胞が、がん化したのですから、それが自然に正常なものに戻るということはありません。ただし、対症療法により貧血症状や出血傾向が改善したり、発熱や全身倦怠感といった症状がとれることは期待できます。それら検査に基づいて以下の5つのタイプに分類されます。末梢血にも未熟な芽球が出現しはじめます。

 

骨髄異形成症候群に特有の症状というものはありませんが、病気の種類と進行度にしたがって、疲れやすい、だるい、立ちくらみがするなどの貧血症状、皮膚に青あざが出るといった出血傾向、原因不明の発熱などの症状が出現します。

 

骨髄異形成症候群は血液のおおもとの1個の幹細胞がわずかに異常をおこし、極めてゆっくりと身体の血液成分全体に異常がおきてくる状態と考えられます。これらの症状を自覚したら、まずかかりつけの医師に相談し、必要ならば専門医師を受診すべきでしょう。

 

また骨髄異形成症候群から、急性白血病になってしまう場合もあります。一般的に血液のがんは、血液の細胞成分やそのもとになる細胞が何らかの異常をきたし、一部の細胞だけが増えてしまったり、それにより他の細胞成分が増えることができなくなった状態です。

 

ただし、あえて分類するとすれば、診断の項目の1)不応性貧血と、3)骨髄芽球の増加した不応性貧血と4)骨髄芽球が悪性化し、かつ増加している不応性貧血は、段階的に進行することも多く、一応の病期分類と理解することができます。それによって治療法が異なります。骨髄異形成症候群には、他の固形がんのような確定的な病期分類というのはありません。最近の考え方では、未熟な芽球が20%以上になると、すでに急性白血病へ移行したものとみなし、治療を開始します。

 

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