シェーグレン症候群

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群

 

 

シェーグレン症候群の病変は眼乾燥、口腔乾燥がみられるので乾燥症候群とも呼ばれております。原因は不明です。 厚生省の研究班のデータでは1年間に病院などで受療した患者さんの数は15,000〜20,000人とされております。

 

シェーグレン症候群は1933年にスエーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレン(Sjogren)の発表した論文にちなんでつけられた疾患です。口の渇きについては、人工唾液や市販の口内に塗る製品(→ドライマウスの項目参照)を使用します。40歳以上の女性に多く発症するとされているシェーグレン症候群は、外分泌腺(涙腺や唾液腺など)の慢性炎症によって機能が低下して、涙や唾液などが不足してドライアイ(乾燥性角結膜炎)やドライマウス(口腔乾燥性)などの目や口腔が乾燥する症状が現われます。

 

目の乾燥(涙が出ない・目がゴロゴロする・目がかゆい・目が痛い・目が疲れる・物がよくみえない・まぶしい・悲しい時でも涙が出ない)、口の乾燥(口が渇く・唾液が出ない・口が渇いて会話ができない・味がよくわからない・口内が痛む・舌の表面が割れる・夜間に飲水のために起きる・虫歯が多くなる)、鼻腔の乾燥(鼻が渇く・鼻の中にかさぶたができる・鼻出血がある)。目の乾燥のひどい患者さんに対しては、涙の排水口である涙点をシリコンプラグで塞ぐ処置や涙点を手術でふさぐこともできます。

 

目の乾きに対してはいろいろな目薬や人工涙液などがあります。男女比は男女比1:14で、女性に多く発症します。シェーングレン症候群の検査方法としては、涙液分泌機能試験(シルマー試験)や唾液分泌機能試験(ガム試験)などがあります。内服薬として、日本新薬(株)よりの「フェルビテン」がシェーグレン症候群の保険薬として認められております。

 

シェーグレン症候群の患者さんにはドライアイ、ドライマウスがみられます。そのため、シェーングレン症候群の治療は乾燥症状を軽快させることと病気の進行を遅らせることになります。 。

 

1999年の厚生労働省の診断基準によると、(1)口唇小唾液腺の組織でリンパ球浸潤がある(2)ガムテスト、サクソン(Saxon)テスト、唾液腺造影、シンチグラフィーなどで唾液分泌量の低下が証明される(3)シルマー(Schirmer)試験、ローズベンガル試験、蛍光色素試験などで涙の分泌低下が証明される(4)抗SS-A抗体か抗SS-B抗体が陽性、これらの4項目の中で2項目以上が陽性であればシェーグレン症候群と診断します。

 

シェーングレン症候群によりドライアイになった場合の治療法としては、涙分泌の促進・涙の補充・涙蒸発を抑える・涙排出を低下させる方法として、人工涙液や点眼薬・ドライアイ眼鏡・涙点プラブ挿入術があり、医師の所見によりステロイド剤の使用もあります。根本的に治す方法はないので対症療法になります。

 

シェーグレン症候群の原因は不明です。実際には10〜30万人と推定されます。中年女性に好発する涙腺や唾液腺を標的とする慢性炎症による外分泌腺障害をおこし、全身性の臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患でもあります。 現在のところでは、根本的な治療はなく、専門家の間でも治療法(特にステロイド剤を使うかどうかについて)は異なります。シェーグレン症候群は、まだその原因がはっきりわかっていない病気です。

 

さらに唾液腺の腫脹と痛み、膣乾燥、レイノー症状、関節痛、夜間頻尿、紫斑、皮疹、日光過敏などがみられることもあります。

 

慢性関節リウマチの患者さんの約1/4にシェーグレン症候群がみられます。この疾患の年齢層は50〜60歳代がピークです。シェーグレン症候群は膠原病に合併する二次性シェーグレン症候群と、合併のない原発性シェーグレン症候群があります。

 

原発性シェーグレン症候群は、ドライアイ(乾燥性角結膜炎)やドライマウス(口腔乾燥性)のみのケースや全身性の臓器病変や悪性リンパ腫をみとめるケースがあります。 いまのところ、白血球という細胞と、それが放出するサイトカインという物質が病気のさまざまの局面で影響していることがわかっていますが、なぜ白血球が通常と異なる振る舞いをするのかはわかっていません。

 

これらの症状は生命の危険には直結しませんが、日常生活のさまざまの局面で患者さんの障害になります。 シェーグレン症候群とは膠原病類似疾患で、男性の10倍以上の割合で女性に多く発症する自己免疫異常の病気です。 シェーングレン症候群の原因がはっきりとはわかっていないため、根本的にシェーグレン症候群を治すことはできません。

 

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